韓国のエンターテインメント業界では、俳優の出演料が高騰を続ける一方、制作費の急増に悩まされる制作現場との温度差が顕著になっている。世界のOTTランキングで韓国ドラマが連日、名を連ねてはいるものの、作品の枯渇と資金難に直面し、“豊かさの中の貧困”という構造的な矛盾が浮き彫りになっている。
このような状況下、いわゆる“俳優の名門事務所”が相次いで俳優マネジメント事業から撤退する動きを見せている。俳優チャ・スンウォン、チョン・ヘヨン、キム・ヒエ、チャン・ギヨン、イ・ソンギョンらが所属していた「YGエンターテインメント」は、今年1月に「音楽事業への集中」を理由に、俳優マネジメント業務を終了すると発表した。
先月にはソル・ギョング、リュ・ジュンヨル、ムン・ソリ、オム・ジウォン、パク・ソンウンらが所属する「C-JeSスタジオ」も、俳優マネジメント部門を整理すると明かした。同社は「コンテンツや音盤などの制作中心の事業に集中し、コスト構造の見直しを進めている」と説明した。
このように、俳優マネジメントは収益性に乏しい事業と見なされている。関係者は「今こそ、マネジメントに溜まった“バブル”を取り除くべきだ」と口を揃える。一部のトップスターは事務所との収益配分を9:1や10:0とするなど、契約構造が偏っており、活動すればするほど赤字になるケースもあるという。
俳優が活動する際に必要なヘア・メイク、スタイリストなどの費用も事務所負担となることが多く、「スケジュールがないほうがむしろ会社には利益」といった声さえ聞かれる。
また、誕生日やデビュー記念日、初日・最終日の撮影現場にまで豪華な贈り物やパーティーを準備する“プライド費用”が業界の常態と化している。ある俳優がもらって、自分がもらえなければ不満が噴出するため、事務所も仕方なく予算や人員を割かざるを得ないのだ。
支援車両の台数やマネージャー・スタッフの同行人数を比較する文化も常態化し、本来、不要な経費や労力が消費されていく。こうした現状は、自由契約市場(FA)に出た優秀な俳優と新規契約を結ぶ際にも大きな障壁となり、俳優本人にとってもデメリットとなっている。
俳優の出演料の抑制や、制作会社の安全運営を支える制度整備など、構造的な問題の改善は当然必要だ。視聴率0%台で「大爆死」、配信では話題?韓国地上波の青春ドラマが“壊滅状態”のワケ
最近、地上波3局のドラマ視聴率が“悪い意味で”異常な兆しを見せている。
テレビ局MBCのドラマ『バニーとお兄さんたち』とSBSのドラマ『四季の春~恋めぐる僕らの季節~』は揃って0.7%という1%未満の視聴率を記録。KBS 2TVのドラマ『24時ヘルスクラブ』は1.7%でかろうじて1%台だが、やはり低水準だ。
テレビドラマが「危機」にあるという声は以前からあった。それでも大手テレビ局「SBS」のメイン枠である時代劇『帰宮』(原題)が8%台の視聴率を維持し、辛うじて存在感を示している状況ではある。
しかし、放送時間帯が異なるとはいえ、地上波3局の青春ドラマが一斉に0~1%の視聴率しか出せていないのは、極めて異例だ。 奇しくも『バニーとお兄さんたち』『四季の春~恋めぐる僕らの季節~』『24時ヘルスクラブ』はいずれも青春をテーマにしたラブコメ作品である。
『バニーとお兄さんたち』は同名のウェブ漫画を原作としたドラマで、“黒歴史”となってしまった初恋後、突然現れた魅力的な男性たちと関わることになった主人公バニーの恋愛模様を描き、『四季の春~恋めぐる僕らの季節~』は、K-POP最高のバンドグループ「四季」の人気メンバーであるサゲがグループから脱退し、波乱万丈な大学生活のなかで運命的に出会ったボムとともに、再起を遂げていく青春音楽ロマンス作品。
『24時ヘルスクラブ』は、熱血トレーナーのヒョンジュンが、悩み多き初心者会員たちの人生をパワフルに変えていくドキドキの“筋肉”成長ロマンス・コメディを標榜している。
視聴率がとれないワケ
https://news.livedoor.com/article/detail/28722712/すべての韓国国民に青春時代は無いのに
なんで青春ドラマを作ろうと思ったんだろう
俳優マネジメントで赤字膨張…エンタメ業界が「虚飾」見直す時
3
ツイートLINEお気に入り
3
0