<経済は成長し、司法の負担が減り、適切な規制を受けた安全な産業が生まれるはずだったが>
アメリカでマリフアナ合法化の動きが勢いを増し始めると、社会は歓迎ムードに包まれた。この施策は刑事司法制度の負担を減らし、経済成長を促し、公衆衛生上の利益につながる進歩的な一歩だと喧伝された。合法マリフアナは闇市場を排除し、税収をもたらし、適切な規制を受けた安全な産業を生むと約束された。
だが、そんなことは起こらなかった。いま全米には幻滅が広がっている。違法な販売店は儲け続け、大麻取引関連の犯罪は増えている。さらに批判派は、市民は合法市場にあふれる高濃度マリフアナのリスクを知らされていなかったと主張する。
専門家、政治家、そして以前はマリフアナ合法化を支持していた人々までが、合法化した州は間違っていたのではないかと疑問を抱き始めている。薬物政策が専門のスタンフォード大学のキース・ハンフリーズ教授は、合法化は楽観的すぎる前提の下に市民に売り込まれたと言う。
「健康に害を与えないだけでなく、体にいいという触れ込みだった。市民に約束されたのは、多額の税金収入、雇用創出、規制の行き届いた産業の創出だ。そのうち、どれ一つとして実現していない」
10代に目立つ健康被害
さらに批判派は、昨今のマリフアナの強度が健康被害を増やす大きな要因になっていると主張する。最近はTHC濃度が20%を超えていることも多いが、1990年代の違法マリフアナでは3〜5%が普通だった。
「平均的なマリフアナ使用者が低強度の製品を週に1回消費していた時代から、高強度の製品を毎日消費する市場に変わった」とハンフリーズは言う。
「使用者の週当たりのマリフアナへの曝露は、平均で約65倍増加した。その影響の大きさはまだ分からない」
最近の研究では、大量のマリフアナ使用と認知障害や注意力の低下、精神疾患や統合失調症との関連性が指摘されている。米疾病対策センター(CDC)の23年の報告では、より強力な品種が一般的になるにつれ、マリフアナ関連の入院が大幅に増加した。特に、まだ認知機能が発達途上である10代の間で健康被害が増えている。
https://l.smartnews.com/m-kHf1wxq/KGpCq3
マリフアナを合法化した末路とは? 「バラ色の未来が来るはずだったのに...」
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