ソウル(CNN) 韓国政府が、乳児を養子として海外へ送り出すなかで出生記録を偽造したり、子どもが捨てられたとの虚偽の報告を行ったり、養親候補に対する安全性の確認を適切に行わなかったりしたことがわかった。こうした政府の過失は韓国憲法と国際条約に基づく権利の侵害に相当する事案もあったという。26日に公表された調査結果で明らかになった。
当局によると、第2次世界大戦と朝鮮戦争の荒廃から復興しつつあったものの貧困にあえいでいた韓国では1950年代以降、利益をもたらす大規模な養子縁組産業が生まれ、20万人以上の子どもが海外で養子縁組された。
養子となった子どもたちの多くは現在、世界各地で成人を迎え、自分たちの出自を明らかにしようとしている。これらの人々は強制的かつ欺瞞的だったとして養子縁組機関を非難しており、中には母親から強制的に引き離されたケースもあったと訴える。
政府の真実和解委員会は26日、64年から99年の間に海外に送られた養子が提出した計367件の請願書のうち、最初の100件の分析結果を発表した。
11カ国で養子となった人々の多くは、養子縁組が腐敗や不正行為の結果である可能性があると考えていた。
最初の100件のうち56件は、政府の過失の「被害者」であると特定された。政府の過失は韓国憲法と国際条約に基づく権利の侵害に相当するという。
委員会は記者会見で、問題の一部は、養子縁組がほぼ完全に民間機関によって行われていたことにあると指摘。民間機関は寄付を頼りに運営されており、政府は監督していなかった。「養子縁組機関が養親からの寄付に頼っている場合、運営を維持するために子どもを海外に送り続ける圧力にさらされる。この構造は違法な養子縁組のリスクを高める」
委員会は「故意の身元のすり替え」や養子縁組される子どもが実の親に捨てられたという虚偽の報告など、記録が偽造された証拠を発見した。養子縁組に対する適切な親の同意が欠如しているケースも散見されたという。
養子縁組のプロセスも問題だらけで、養親の審査が不十分だったり、保護者が怠慢だったり、外国人の養親が子どもを引き受けるために金銭を払うよう圧力をかけられたりした事案もあった。
「海外養子縁組大国」の韓国、政府による権利侵害が明らかに 調査結果報告
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