3月8日の国際女性デーに合わせてドイツで2体の慰安婦像が展示されようとしている。ナチスの犠牲者を追悼するケルン市の博物館「ナチス記録センター」前とヘッセン州のカッセル大学近くの教会にそれぞれ時限的に設置される。2体の設置に関して行政当局や大学当局が反対姿勢を示した経緯があるが、ベルリンに拠点を置く韓国系市民団体「コリア協議会」などが働きかけて実現される格好となった。
ハンギョレ新聞や聯合ニュースなど韓国メディアが報じた。
ケルン市の慰安婦像は7日から6月1日まで展示されるという。コリア協議会などが計画し、先の大戦中にアジアで行われた女性に対する戦争犯罪を告発する企画の一環として展示される。
当初、市当局は公共の場での慰安婦像の設置には市の政治委員会の決定が必要だとして代替地を提示するなど慎重姿勢を示していた。これに対し、市民団体側は抗議書簡を送るなど決定の撤回を求め、市の政治委員会が設置を支持するに至ったという。
また、8日にはカッセル大近隣の教会敷地内に慰安婦像が設置される。期間は1年間だという。
この慰安婦像は2022年7月に同大の学生らがコリア協議会と連携して設置したもので、大学の学長は設置期限が終了したとして撤去を求め、23年3月以降は引越センターの倉庫に保管されていた。
慰安婦像にウクライナ難民合唱
撤去に反対する市民団体は設置場所を問い合わせ、今回教会の承諾を得たという。あらゆる女性に対する暴力に反対する象徴に慰安婦像を位置づけ、8日に実施される除幕式にはウクライナ難民の女性による合唱も予定される。
コリア協議会は20年9月、ドイツの首都ベルリン市ミッテ区に慰安婦像を設置し、日本政府は撤去を要求。区は設置期限が切れたとして昨年9月に協議会に移設を求めたが協議会が拒否したため撤去を求めている。
ハンギョレは3月1日、2体の慰安婦像について「日本政府の圧力などで常に撤去の危機にさらされていた。少女像の設置をめぐって政府当局と闘ってきたドイツの市民団体にとって、今年に入って初めて建てられる2体の少女像の持つ意味は格別だ」と論評している。
ドイツで慰安婦像2体設置、ナチス博物館と教会で 国際女性デーに合わせ
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