日中戦争時の1937年に旧日本軍による南京占領で起きたとされる「南京事件」を巡り、近現代史研究家の阿羅健一氏は2日、外務省を訪れ、同省ホームページ(HP)の記述を変更する必要性を主張した。HPには同事件について「日本軍の南京入城後、非戦闘員の殺害や略奪行為等があったことは否定できない」と記載されている。阿羅氏は「記述の根拠は全くない。外務省HPは英文でも世界へ発信されたまま、さまざまな著作に引用されている」と訴えた。
事実に即した形に
阿羅氏が代表を務め、ジャーナリストの西村幸祐氏らと設立した「外務省のホームページの変更を要望する会」の活動。同会によると外務省のHPは平成17年8月から「(旧日本軍による)南京市民の殺害を否定できない」という趣旨で記述されているという。
同会はその後、国会内で記者会見し、西村氏は外務省の南京事件を巡る記述について「あいまいでいい加減だ。事実に即した形で変更してもらいたい。組織的な軍命令による虐殺は確認されていない。(HPの記述を根拠に)とんでもない本がこれからも出てくる可能性がある」と語った。
中国政府は南京事件を巡って30万人が虐殺されたとも主張しており、西村氏は「30万人を日本軍が虐殺した(ことを裏付ける)学術論文はどこにもない」と指摘した。
公式文書に記述なく
阿羅氏は当時の南京にいた高級将校や下士官、記者、画家、写真家ら300人以上への聞き取り調査や国内外の歴史資料の検証などを通じ、一般市民の虐殺はなかったと判断している。外務省も令和4年1月、南京事件に関するHPの記述について「根拠となった資料」の公開を求めた阿羅氏に対し、「該当文書を確認できなかったため、不開示(不存在)とした」と通知したという。
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「南京事件」否定しない外務省HP変更を 「記述の根拠ない」阿羅健一氏が要望
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