日本人2人を含む159人が死亡したソウル・梨泰院(イテウォン)の雑踏事故から29日で1年を迎えるのを前に、遺族や生存者が26日、「ソウル外信記者クラブ」で記者会見した。遺族らは「十分に真相究明がなされていない」などと、事故を巡る韓国政府の対応に怒りの声をあげた。
21歳の娘を亡くした「梨泰院惨事遺族協議会」の柳炯宇(ユヒョンウ)・副委員長は「1年が過ぎるにもかかわらず、政府から惨事について正式な説明を受けていない。遺族を無視している」と批判し、「遺族は苦痛から抜け出せないでいる」と訴えた。
オーストリア籍のキム・ナリさん(33)は事故で弟のインホンさん(24)を亡くした。キムさんは、外国人遺族が情報を得るのは難しいにもかかわらず、政府が支援をしなかったと指摘。「全ての被害者の家族が事件に関する詳細な情報を知る権利がある。外国人被害者の家族は孤立したままだ」と語った。
生存者の李周炫(イジュヒョン)さん(28)は、被害者らが中傷などの2次被害を受けていると訴え、「この惨事の責任を個々人に押しつける社会が正しいとは思えない」と述べた。
遺族らは29日、ソウル市内で追悼会を開催する。2001年に兵庫県明石市の歩道橋で起きた雑踏事故で次男を亡くした下村誠治さんも出席する予定だという。
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「真相究明されていない」ソウル雑踏事故1年 生存者は中傷被害も
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