予告された乱脈ぶりだった。もう一つの「Kブーム」を巻き起こそうとしていた青少年の国際行事が、すっかり「国に恥」をかかせる迷惑者となってしまった。1日から全羅北道セマングム干拓地で進行中の「2023セマングム世界スカウトジャンボリー」の話だ。猛暑に熱中症患者が続出し、劣悪な環境と主催側の準備不足を指摘する参加者と家族の批判の声が相次いでいる。韓国の国内世論も沸騰している。「なぜ真夏に日陰のない干拓地で大規模なキャンプ大会を開くのか」という叱責から「今からでも行事を縮小するか取り消すべきだ」という声まで高まっている。
2016年7月、企画財政部が国際行事審議委員会を開き、「2023世界スカウトジャンボリー」を政府レベルで誘致することに決めた。ライバル地はポーランド北部の港町、グダンスクだった。政府レベルの誘致活動のおかげで、セマングムは2017年8月17日、アゼルバイジャンのバクー・コングレス・センターで開かれた第41回世界スカウト総会で、607票を獲得して365票のポーランドを上回り、開催地に選ばれた。2018年12月と2019年4月、世界スカウト連盟の役員たちの現地調査に訪れた。真夏に行われる行事を点検するのに冬と春に現場を訪れたのだ。当然、何の問題も指摘されなかった。
6月のリハーサルでも猛暑・浸水対策の不備が問題に
猛暑と排水の不備に対する懸念は、6月16~18日に「リハーサル」として開かれた「小さなジャンボリー大会」でも現実のものとなった。当時、現場状況を取り上げた地域メディアは「30度を越える気温で、参加者が苦痛を訴え、テント内は蒸し風呂状態だった。あまりにも蒸し暑く、(活動は)夕食以降の時間でなければならなかった」と報道した。豪雨による浸水、蚊の群れ、トイレとシャワー室の衛生問題も指摘された。行事開催の1カ月前の6月30日、地域の市民団体は「排水施設工事が90%まで進んだが、浸水問題をまだ解決できていない。安全と円滑な進行のため、ほかの会場を探すなど『プランB』が必要だ」と指摘したが、反響はなかった。
結局、問題点は行事が始まってから一気に噴出した。主催側は「大きな問題はない」と主張したが、6年間1000億ウォン(約110億円)以上の税金が投入された国家的行事は国内外から批判が殺到する最悪のジャンボリーに転落してしまった。
ふらついた韓国ジャンボリー、事実上「早期閉幕」…世界が見ていた
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