米国と欧州、あるいはその他の国々も現在の利益を維持しつつ、新たな変化に対応する。日本でさえ米中間で、あるいは米ロ間で、核心利益がかかっていれば損をしないように二者択一を避けようとする。友好同盟国間のサプライチェーンといえど、その中にあっては競争関係だということを知るべきだ。
米国は先端産業では分離を、伝統産業では依存を選択した。半導体やバッテリーなどの戦略産業では中国との分離を目指し、友好同盟国同士でサプライチェーンを作ろうとしている。しかし同時に、中国との経済的相互依存の現実は認めざるを得ない。2022年の米国と中国との貿易額は6906億ドルで過去最大だった。中国は世界の製造業のサプライチェーンにおける最大の中間財調達者であり、提供者である。米中貿易において相互依存度の高い分野が中間財であり、特に米国の核心産業とつながる電気・機械、石油化学、非金属鉱物の分野において中国とサプライチェーンを分離することは、現実的に不可能だ。
欧州は米中戦略競争とロシア・ウクライナ戦争の過程で「開かれた戦略的自律性」を追求してきた。文字通り開かれた概念で、エネルギー依存度の差によってロシア制裁への参加水準が異なり、産業構造の違いによって米中競争における位置取りが異なる。昨年11月のドイツのオラフ・ショルツ首相に続く、今年4月のフランスのエマニュエル・マクロン大統領の訪中には共通点がある。大規模な企業代表団が同行し、大規模な契約を交わしたのだ。欧州は価値観ではなく利益を、分離の未来ではなく依存の現実を重視する。世界的な経済危機においてはやむを得ない選択だ。中国は米国と欧州を分離するため、この隙間に食い込んでいる。
現在、本当にリスク低減が必要なのがまさに韓中関係だ。先日、中国のアジア担当局長が訪韓し、従来の韓中THAAD合意の重要性と韓中関係における越えてはならない一線を伝えてきた。このように中国は危険を警告したが、政府には緊張緩和の意志はなさそうにみえる。政府と与党、そして保守メディアは「脱中国」という理念を叫ぶばかりで、数十年間にわたって積み重ねてきた相互依存が空白になった時に、それをどのように埋めていくかについての戦略がない。
https://japan.hani.co.kr/arti/opinion/46995.html
国益を放棄しながら価値観に没頭する国、韓国
73
ツイートLINEお気に入り
596