ハロウィーンで多数の死者が出た昨年の梨泰院雑踏事故から100日が過ぎた。惨事直後の韓国社会は2001年の明石花火大会歩道橋事故直後の日本と様々な共通点があった。事故直後、両国は市民社会と政界が徹底した事故原因の解明と責任者の処罰を求めた。どちらの事故も警察と行政が事前に積極的な安全対策を取らず、事故の徴候が出た後も適切な対応を取らなかったことが原因とされたからだ。
しかし時間が過ぎると両国の違いは鮮明になってきた。事故後に日本の世論は「当局だけでなく行事に参加する人を含め市民の誰もが安全のため努力すべきだ」との声が多数を占めた。秩序とルールを何よりも重視する日本では、多くの人が集まる行事で子供や高齢者など弱者が命を失ったという事実に市民社会から反省の声が出た。日本の主要メディアは「安全対策に消極的だった」と自省する声が市民から相次いだことを実名で伝えた。
日本の政界は徹底した原因究明と再発防止に重点を置いた。明石市議会は「事故原因を解明して適切な報告を受け、これに伴う正確な対応を求める」と表明し、都市防災の専門家、災害専門の救急医師、建築工学の専門家などからなる事故調査委員会を立ち上げ、再発防止に向けた報告書を取りまとめた。事故発生から2カ月後に開催された合同慰霊祭で遺族らは「このような事故が二度と起こらないようにすることが犠牲者の追悼につながる」と訴えた。
韓国社会はどうだろう。惨事直後は「守ってやれず申し訳ない」など市民からの哀悼と自省の声が相次いだ。しかし事故はたちまち政争の具となり、今月4日には全国民主労働組合総連盟(民労総)、市民団体、遺族団体が追悼大会を開きソウル市庁前に違法な形で突然焼香所を設置した。「警察による統制が不十分だったから惨事が起こった」と主張する人たちが先頭に立って警察の指示に従わず、現場ではもみ合いが相次いだ。惨事が政争の具に転落し、事故に対する市民社会の反省、あるいは安全な形でイベントを楽しむ方法などを考える声はもはやほとんど聞かれなくなった。
https://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2023/02/13/2023021380032.html
「安全は自分たちにも責任」と反省する日本社会、事故を政争の具にする韓国社会
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