最初にベトナムを旅行したとき乗った市内のバスは、韓国で使われていたバスの中古が利用されていた。降りるときに押すボタンには、ハングルが書かれていた。アイスを買おうと店に入ると、半分ほどは韓国のアイスで、しかも、パッケージまで韓国とおなじく、ハングルで表示されている。
いや、それどころか、そうした日常の中に韓国モノが入り込んでいる比率は当時よりアップしたと言った方がよい。1月5日の報道によると、韓国での去年の貿易黒字国は、ベトナムが第1位になった。
もう7年ほど前だろうか、ベトナム戦争時代に韓国軍が拠点を置いたクイニョンの街中を歩いていた時のことだ。突然、若い女性に声をかけられた。私の着ていたハングルの書かれたTシャツに反応したのだ。その女性とは今でもやり取りがある。ちなみに、海岸の美しいこの街から20キロほど離れたところに、良民虐殺の現場があり、記念碑が建てられている。しかし、私が出会った現地の人たちは、そんなことを気にもかけていないようなのだ。
ベトナムと韓国が抱える歴史問題の背景については、『戦争記憶の政治学:韓国軍によるベトナム人戦時虐殺問題と和解への道』(伊藤正子著、平凡社)などを参照していただきたい。その出版からさらに10年の歳月が流れた今、サムスンをはじめとする韓国企業がこぞってベトナムに進出している。ベトナム・韓国間の政治経済の交流は深まっているのだ。
ベトナムの空港で印象的なのは、サムスンの大型ディスプレイに日立のコマーシャルが映し出されていることだ。日本と肩を並べる、あるいはそれ以上と言えるほどに、韓国企業はベトナムに進出している。
https://news.yahoo.co.jp/articles/50b2cc48d2356e5d9301dd253f13f95e17dde666?page=2
「ベトナム人は親日で韓国嫌い」は本当か? 現地に行くと分かる意外な状況
418
ツイートLINEお気に入り
336
36