中国経済の潜在成長率(物価刺激なしに成長しうる経済の基礎体力)が、10年後には3%にまで下がる恐れがあるというのだ。
同研究所が中国経済の長期低成長を予想する理由は大きく分けて3つある。まず、中国の輸出が低迷していること。報告書は、今年と来年の中国の実質輸出増加率が年平均で6ポイント低下し、成長率を1.1ポイント下げると予想した。コロナ禍中に急増した海外商品需要に支えられて2020~2021年には1年に10%ずつ増えた輸出が、減少に転じるという。
輸出を代替するために内需を拡大させるのも容易ではない。地方政府の大規模負債、不動産バブル、所得不平等の悪化などが政府の政策の足を引っ張っているからだ。習近平政権3期目にも、成長というよりは安定重視の基調が続くだろうとの予想も、このような分析を支持する。中国の生産人口の減少、米国の先端技術分野での牽制による生産性向上の鈍化は、今後の中国の成長潜在力を下げる根本的な原因だと指摘されている。
問題は、これまで「中国特需」を思う存分享受してきた韓国にとって、中国の低成長は決して他人事ではないということだ。中国の輸出と成長が低迷すれば、中国の現地生産基地に中間財(最終製品の生産に投入する材料)を輸出する韓国の交易に及ぼす影響も小さくないからだ。
今月20日までの今年の韓国の対中貿易黒字(輸出額-輸入額)は27億ドルで、昨年同期に比べて86%(172億ドル)減少した。対中国輸出の減少、原材料輸入額の増加などの影響で、貿易黒字額が1年で25兆ウォン(約2兆5900億円)ほど蒸発したわけだ。昨年の中国に対する貿易黒字の規模は243億ドルで、韓国の貿易黒字総額(293億ドル)の83%に達した。韓国政府が11日(現地時間)に米ニューヨークで開催した韓国経済説明会で、世界3大私募ファンドのひとつであるA社の役員が、企画財政部の担当者に「中国への高い依存度が今後の韓国経済にとって構造的問題となる恐れはないのか」と質問を投げかけたのも、このような特殊性のためだ。
http://japan.hani.co.kr/arti/economy/44915.html
対中国貿易黒字、1年で25兆ウォン蒸発…中国の低成長で韓国も「黄信号」
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