家計向け融資の急増は金融システムを揺るがしかねない。代表的な例が2003~04年のクレジットカード事態だ。カード会社は低い条件でカードを乱発し、カード利用者はカード代金を返済するために他のカードを使うという方法を用いてまでカードの使用を増やした。その結果、2003年のカード利用代金の延滞率は30%に迫った。カード代金を期限までに返済できずに債務不履行に陥った人は一時400万人を超えた。
世帯主の年齢ごとに見ると、30代と40代の世帯で元利金返済の負担が非常に大きい。30代世帯主では、2018年に32.6%で30%を初めて突破し、2020年には34.8%にまで跳ね上がった。40代世帯主は2020年に31.6%で30%を超えた。2021年も家計負債が大幅に増えた上、 金利まで上昇したことで、その割合はさらに高まっているはずだ。
金融監督当局は今年から、借主個人のDSRが銀行の場合は40%(第2金融圏は50%)を超えないように規制している。しかし世帯平均が30%を超えていれば、すでに40%に迫っている世帯は少なくないだろう。負債の多い家計を危険に陥れる最大の変数は、担保となっている住宅の価格の大幅な下落だ。負債を返済するために、または金融会社が貸付金を回収するために、我先にと家を売る事態が起きれば、破局は避けられない。だが、雪の積もった木の枝がいつ折れるかは、正確には予測できないものだ。そのようなことが起こる前に、負債の増加にブレーキをかけねばならない
実は、韓国経済は内需不振が固定化して久しい。民間消費の伸び率は2005年から2017年まで一度も経済成長率を上回ったことがない。最低賃金の大幅な引き上げなどに支えられ、2018年には名目賃金が大幅に増え、民間消費の伸び率は3.2%に達した。経済成長率(2.9%)を13年ぶりに上回った。しかし、その1年で終わりだった。新型コロナウイルス大流行の影響もあり、その後の消費の伸び率は成長率を再び下回っている。今後は流れを変えることがいっそう難しいとみられる。大幅に上昇した住宅価格、その家を購入するために金を前倒しして使ってしまった家計が、利子負担のせいで改めて財布のひもを締めざるを得ない時が来つつある。
http://japan.hani.co.kr/arti/economy/43180.html
懸命に稼いでも30%は借金返済に…韓国の30~40代、使える金なし
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