ソウル 25日 ロイター] - 韓国で先月、新たな融資規制が発表されると、食品チェーンの仕入れマネジャーをしているジョー・パクさん(34)は、急いで借り入れを増やそうと走り回った。
融資ブローカーに断られたパクさんが探し求めたのは、ずっとコストが高いクレジットカード融資など幾つかの代替的な金融手段だ。この先食費や貯蓄に回すお金が減るのを知りながら。
パクさんのように、投資のために必死に金策に動く韓国の若者が主導する形で、国内では借金ブームが発生し、韓国銀行(中央銀行)にとって懸念すべき潮流の1つになっている。
一方政策当局にとってとりわけ心配なのは、最近導入した一連の規制措置がこうした借り入れの抑制に今のところほとんど効果を及ぼしていない点にある。
7月に新たな銀行融資規制が打ち出された後でも、同月だけで家計向け融資の増加幅は9兆7000億ウォンと、6月の6兆3000億ウォンを上回った。
パクさんをはじめとするミレニアル世代は、文在寅(ムン・ジェイン)大統領の住宅価格引き下げ政策が何度も失敗したのを目の当たりにしてきた。従って多くの者にとって、両親が属するベビーブーム世代より豊かになるには、借金して投資する以外の選択肢がない。
もっともパクさんからすれば、融資規制強化は購買力を低下させるという皮肉な構図を生み出す。「家賃も株も何もかも値上がりしている半面、給料は増えない以上、もっと多くの借金をしたい。なぜ政府はこの事実が分からないかが理解できない」という。
https://www.reuters.com/article/korea-youth-debts-idJPKBN2FR0DJ
アングル:「借金して投資」、韓国の若者世代の切実な事情
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