日韓関係については、未来志向的協力と歴史問題を別途に解決していくという「ツー・トラック」の基調を維持する一方で、対話のほうを強調した。文大統領は歴史問題について「正すべき歴史問題」と表現した。2017年と2020年に「強制徴用」「慰安婦」と直接言及し、また日本による輸出規制が行われた2019年には「隣国に不幸を与えた過去を省察すべき」と圧力を掛けた内容とは対照的なものになった。
さらには、1945年の解放後に、新国家樹立のために結成された政治組織である朝鮮建国準備委員会で副委員長を務めた独立運動家の安在鴻(アン・ジェホン)の演説に言及し、「先祖は解放という空間において日本人に対する復讐の代わりに抱擁を選択した」「植民地民族の被害意識を超越する、大胆で抱擁的な歴史意識だ」と言及した。
韓国・国立外交院日本研究センターのチェ・ウンミ教授は、「韓国は日本との対話の窓を開けており、日本がこれまでの対応を変えるべきであること、そして既存の垂直関係ではなく先進国と先進国としての平等な関係をつくっていこうというメッセージが込められている。任期内に日韓首脳会談は難しくても、日韓中の首脳会談の枠をつかって日韓首脳会談の機会をつかむことが現実的だ」と指摘する。
https://toyokeizai.net/articles/-/448604
演説で日本に対話を呼びかけた韓国大統領の真意
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