鈴置氏の記事から抜粋。
《鈴置:韓国の中央銀行である韓国銀行が、声をからして国民に「借金までして投機するのはやめろ」と呼びかけています。韓国は今、株価も不動産価格もうなぎ登り。完全なバブル経済です。
――こんな状況下で金利を引き上げたら……。
鈴置:阿鼻叫喚です。
――金利を上げなければ……。
鈴置:韓国が上げなくとも米国をはじめとする世界が上げるのは確実です。韓国経済は絶体絶命なのです。
――韓銀の警告は効き目がありましたか?
鈴置:少なくとも株価にはありませんでした。「金融安定報告書」が発表されても上がり続け、6月25日、KOSPIは史上初めて3300の大台に乗せました。
実は今、1997年にはなかった「大穴」も発生しています。働き手の減少です。韓国は2016年をピークに生産年齢(15―64歳)の人口が減り始めました。
韓銀も韓国紙も触れない「前轍」があります。1997年の通貨危機は米韓関係悪化という政治的な要因が最後の一撃となったことです。アジア通貨危機の余波で韓国がドル不足に陥った際、米国はドルを貸さず、日本にも「貸すな」と命じたのです。
現在も米韓関係は恐ろしく悪い。文在寅政権の反米ぶりに嫌気した米国は、韓国人に向かって「2022年3月の大統領選挙で再び反米左翼政権を選んだら、承知しないぞ」とのメッセージを送ろうとしていたところです。
――米国は韓国とスワップを結んでいます。
鈴置:米韓の間で結ばれているのは為替スワップで、期限は今年末。米国はこれを韓国に対する攻撃兵器にも使えるのです。
――文在寅政権は自らが置かれた状況を理解しているのでしょうか。
鈴置:与党はそんなことに目配りする余裕はなくなっている。来年3月の大統領選挙に勝たねばならないと思い詰め、その一環として国民全員に慰労金を配る計画を進めているのです。
韓国経済新聞の社説「韓銀、家計負債・資産バブルを警告…ばらまき政策は節制せよ」は絶句しました。金融危機を回避するため、韓銀がバブル崩壊のリスクを冒しても流動性を吸収しようとしている時に、またおカネをばらまくというのですから。最後の1文が以下です。
・日増しにはっきりとする危険信号から、いつまで目をそらすのか。》
ttps://www.dailyshincho.jp/article/2021/06291531
「金融危機がやって来る」と叫ぶ韓国銀行 バブル退治も時すでに遅い?
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