鈴置氏の新しい記事から抜粋。
《――韓国メディアは文在寅発言をどう報じましたか?
鈴置:保守系紙は「舌先三寸で騙そうとしても、日本にはすっかり見透かされているぞ」と攻撃しました。
興味深いのが、これらの政権批判が「もう日本を騙せないのに騙そうとしている」との戦術論に終始し、「国と国との約束を破った」という問題の本質に踏み込んでいないことです。
――なぜ、韓国人は平気で約束を破るのでしょうか。
鈴置:「いまだに儒教を社会の規範としているから」との説明が定説かと思います。不完全な人間を教えさとして「徳」ある人を作れば、社会も国もまともになる、というのが儒教の基本的な考え方です。
法律で人の行動を規制し安定した社会を作るという法治の発想とは根っこで相いれないところがある。儒教国家にも法律はありますが、最終的な規範にはなりません。
1987年から1992年までの韓国在勤中に驚いたことの1つは、韓国人がしばしば「有銭無罪 無銭有罪」、つまり「裁判だってカネ次第でどうにでもなる」と言っていたことです。
その頃はまだ、日本の統治下の朝鮮を生きた人が多数、存命中でした。彼らは苦い顔で、「日本から独立したら、すぐに李朝に戻ってしまいました」と説明してくれたものです。
――日本との約束を今、破り始めたのはなぜでしょうか?
鈴置:「国力が日本に追いついた」との自信からです。
米国という補助線を引けば、それがはっきりします。韓国は米国との根本的な約束――軍事同盟さえ反故にし始めた。
「日韓関係がおかしくなったのは、両国の関係が特殊だから」と韓国人は主張します。要は、植民地支配が原因だ、と日本に責任を転嫁する論理です。日本人の多くもそれに洗脳されています。
でも、その理屈では米韓関係の急速な悪化を説明できません。
「日本よりも上の国になった」と実感するためには約束を破ってみせる必要があるのです。韓国では「ルールを破ってこそ上の存在」と認識されています。
だから韓国は1965年の国交正常化の際に結んだ日韓基本条約も、2015年の慰安婦合意もひっくり返しに来ているのです。自分にとって面白くない条約や合意を堂々と破ってこそ、「上になった」と実感できるわけです。》
ttps://www.dailyshincho.jp/article/2021/01261600/
韓国で法治が根付かない3つの理由
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