日本の歴代政権は、植民地支配という不幸な過去への反省をふまえ、諸問題に接してきた。一定の配慮を忘れぬ対応が外交的資産となり、経済や安全保障の協力を進めてきた。
その決意を表したのが、戦後50年の「村山談話」や同60年の「小泉談話」などである。
安倍氏は両談話を「全体として引き継ぐ」としたが、自身が出した戦後70年談話では、今後の世代が謝罪を続けるべきではないとの趣旨も明記した。
自らの主体的な歴史認識の表明は避けつつ、一方的に清算の区切りをつけようとする態度が、かつての被支配国から反感をかったのは無理もない。
朝鮮半島をめぐる安倍外交の負債を引き継ぐ次の政権は、韓国との正常な対話の再開から始めねばなるまい。
韓国政界では、新政権とは良好な関係を築くべきだとの機運が広がりつつある。まずは喫緊の課題である徴用工問題をどう解決するかが、文在寅(ムンジェイン)政権と日本側との共同作業になろう。
日本は時間をおかず、輸出規制の強化を撤回すべきだ。文政権は、元徴用工らへの補償問題について能動的に行動する必要がある。
https://www.asahi.com/articles/DA3S14619546.html
朝日社説「次期政権は徴用工に賠償し貿易規制を即時撤廃せよ」
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