さて、1800年代まで釈迦はアジアにおける正体不明の神でしたが次第に研究が進み
アジア各地で信仰されている偶像崇拝が同じ宗教であること、
当初は偶像すら作られなかった事、
釈迦は神ではなく人間であったこと、
釈迦はバラモン教が作り出したカースト制を崩そうと試みたが失敗した、
というような朧気な理解がされるようになってきました。
当時、ヨーロッパの哲学界隈ではオリエンタリズムにより研究が進み始めていた東洋の宗教から
新しい着想を得ることが流行していました。
哲学者たちは仏教の、ヨーロッパ人にとっては新しい思想に熱狂しました。
ヘーゲル(Hegel)、ショーペンハウアー(Schopenhauer)、ニーチェ(Nietzsche)などの
著名な哲学者達も仏教について言及しています。
特にショーペンハウアーは仏教について「完璧」と絶賛しアジアから仏像を手に入れて崇拝するほどに入れ込みました。
ニーチェは仏教を「衛生学」と呼び一定の価値を認めながら
仏教の思想を超えた永劫回帰(ewig wiederkehren)などの概念を生み出しました。
仏教はその教義の根幹にスピリチュアルな要素がほとんど存在せず
あくまで釈迦の教えが第一という珍しい宗教で近代哲学との相性も良かったのです。
しかしこれら偉大な哲学者たちは根本的な間違いを犯している事にまだ誰も気が付いていませんでした。
画像は仏教を高く評価した哲学者ショーペンハウアー
仏教の衝撃 ~西洋が恐れた東方の邪教~
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