日本人になりたい「外国人」は受け入れよ
文芸春秋 6月号 エマニエル・トッド(歴史人口学者)
トッド氏は日本の人口減少と移民政策について「このままでは日本の衰退を招く」とかねてより警告を発してきた。
四月に改正入管法を施工し、外国人労働者の受け入れ拡大について、トッド氏の意見
前提として、今回の政策変更は、結果として移民の容認であるとの認識であることを踏まえて
「移民政策で犯しがちな過ち」
① 移民受け入れ拡大によって、「少子化対策」をおろそかにすること。
二者択一ではない。「ホスト国住民」と「移民」との人口バランスが崩れてしまう。
② 外国人労働者はいずれ国に帰ると思い込むこと
移民は状況が許せば、必ず定着を望み、夫や妻、子を呼び、新たな子を産む。
③ 移民を単なる経済的現象と考えること
移民の受け入れは、人々の文化的な差異に注意しながら慎重に進めるべき。
④ 移民受け入れにあたって多文化主義を採用すること
移民受け入れに必要なのは「多文化主義」ではなく「同化主義」。「多文化主義」とは「移民隔離」政策。
⑤ 非熟練労働者の移民のみを増やすこと
熟練度も収入も低い移民ばかりになり、社会階層の下部に新たな階層が生まれる。
そこにエスニックな要素が加われば、社会階層の分断が強化される。
⑥ 移民の出身国をある特定の国に集中させてしまうこと
出身国を多元化すべき。移民の流入を自然に任せると、流入の道筋が自然にでき、特定の国の出身者の数が突出する。
移民政策で必要なのは「多文化主義」ではなく「同化主義
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