アン・ヒョンジン韓国農村経済研究院 博士(副研究委員)
(前略)
最近になってコンビニに登場した桜パン、桜酒など関連商品は、まるでここが韓国ではなく日本であるかのような錯覚に陥らせる。
春の花を楽しむのに政治、歴史など深刻な論題を関連付けるのは野暮、外国の文化に接して楽しむことが自然な今の時代の傾向とも合わない。また、平安時代から長い伝統を持って発展を遂げた日本のお花見文化が魅惑的なのも事実であり、近代に入って商業的要素と結合して高い付加価値を創り出しているのも事実だ。
しかし、最近になって国内にどんどん増えた桜が苦い理由は、もしかしたら私たちが海外の成功事例に簡単に便乗しようとするだけで、韓国の国土や気候、情緒を代表できる固有樹種の発掘および観光商業化の努力を怠っているのではないかという懸念のためだ。
桜祭りが真っ最中の春季ごとに、王桜(韓国では王桜=ソメイヨシノとの主張が主流です)の韓国起源説が新聞記事を飾ったりする。有力な仮説だけで、まだ十分に検証されていないことを確固たる事実であるかのように記事化する意図は、おそらく地域に商業的利益をもたらしてくれる桜に含まれた日本のイメージを消したいからであろう。
しかし、もし王桜の自然的起源が韓国としても、今のように桜が全世界の人に愛されることになった背景には、日本人たちの努力があったということを否定することはできない。
野生の木を移して植えるとすぐに造景樹になるのではない。桜祭りを飾る代表樹種であり、現在、起源論議がある王桜『ソメイヨシノ』は、日本の園芸家の品種開発努力の結実である。桜といえば日本という等式が自然に成立するのも、日本が桜の自生地だからではなく、長い期間にわたる科学的、文化・外交的努力を通じて獲得したからである。
http://www.edaily.co.kr/news/news_detail.asp?newsId=01285766619177432&mediaCodeNo=257&OutLnkChk=Y (抜粋)
(写真は日本の桜名所)
「寄稿」全国の春の桜祭りが苦い理由
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