韓国全羅南道新安郡にある塩田で、再び強制労働疑惑が浮上した。新安郡と警察は、2023年に当該事案を認知して捜査を依頼したことを明らかにしたが、加害者である塩田主と被害者の分離がなされなかった点については「被害者の意思を尊重した結果」と釈明している。
新安郡によると、2023年8月、雇用労働省・警察との合同調査の結果、新安郡の新衣島で60代男性が塩田での強制労働被害者として確認された。調査は神衣派出所の警察官の内部通報により実施されたもので、男性は長年その塩田で働いていたが、適正な給与を受け取っておらず、通帳も塩田主が管理していたことが明らかになった。
これを受けて新安郡は、塩田主に対する捜査を警察と雇用労働省に正式に依頼。雇用労働省・木浦支庁の調査により、塩田主が2019年から4年以上にわたり、男性に計6600万ウォンの賃金を支払っていなかった事実が確認され、労働基準法違反の疑いで送致された。塩田主にはその後、裁判所から罰金300万ウォン・執行猶予1年の判決が下された。
警察もまた、塩田主を準詐欺の疑いで不拘束立件し、起訴意見付きで送致。現在、検察が事件を処理中だ。
しかし、調査と捜査の過程で男性と塩田主を物理的に分離する措置は取られなかった。この点について新安郡は「男性が『家族がいない』『行くところがない』と話し、移動や分離を強く拒否した」と説明。警察もまた「全羅南道の障害者権益擁護機関に依頼し、男性と面談した上で、障害の有無の確認や医療機関での診療を数回勧めたが、いずれも拒否された」と述べ、「被害者本人の意思に反して施設に移送する法的根拠がなかったため、強制的な保護措置は取れなかった」と釈明した。
なお、塩田主は2024年10月、行政処分を前に自発的に塩田を閉鎖した。現在も塩田用地を所有しており、太陽光発電施設の建設を進めているとされる。塩田が閉鎖された後、男性は光州市北区にある療養病院へ入所した。
NEWSIS/
韓国・塩田でまたも「強制労働」疑惑…「本人の拒否・
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