内乱などの容疑で拘束されている韓国の尹錫悦(ユン・ソンニョル)前大統領と金建希(キム・ゴンヒ)夫人が、祝日の秋夕(チュソク)を拘置所で迎えた。法務省が予算上の理由から祝日の特別食の提供を廃止したため、夫妻には通常の食事が提供されたことが当局者の話で明らかになった。
秋夕は韓国で最も重要な祝日の一つで、家族と集い、先祖の墓参りをし、伝統的な料理を分かち合う。今年は10月6日から8日までの3連休となっている。
これまでは、受刑者処遇法の施行令に基づき、拘置所や刑務所では秋夕や旧正月に「特別メニュー」が提供されてきた。しかし、コリア・タイムズの報道によると、法務省は予算の制約を理由にこの慣行を中止した。同省は声明で、餅や果物といった差し入れは受け入れる可能性があるとしつつも、国が祝祭用のメニューを提供することはなくなったと説明した。
尹氏が収監されているソウル拘置所で秋夕に提供されたのは、「通常のメニュー」だった。朝食はミニチーズパン、ゆで卵、ミックスナッツ、豆乳。昼食は豆腐うどん、豚カルビの煮込み、白菜キムチだった。一方、金氏が収監されているソウル南部拘置所では、朝食が豆腐キムチチゲ、昼食がチョングッチャン(発酵大豆のチゲ)やビビンバ、夕食にはユッケジャン(辛い牛肉スープ)やチャプチェなどが含まれていたという。
昨年12月に戒厳令を宣布しようとした内乱などの容疑で7月に逮捕された尹氏 (Yonhap)
過去に祝日を拘置所で過ごした元大統領らは、より豪華な食事を提供されてきた。収賄罪などで有罪判決を受けた李明博(イ・ミョンバク)元大統領は、マンゴージュースや伝統菓子の薬菓(ヤックァ)などを受け取ったと報じられている。また、2017年に弾劾された朴槿恵(パク・クネ)元大統領もソウル拘置所在監中に祝日の差し入れを受けていた。
拘置所の尹前大統領夫妻、祝日に特別食なし 法務省が慣習廃止
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