韓国企業が米国に工場を作る際に体験する最初の障壁は許認可問題だ。環境・安全規制の場合、連邦政府と州政府からそれぞれ許認可を受けなくてはならないが、週ごとに規制基準が異なる。これをどうにか合わせたとしても建設現場で必須の溶接工からして現地で確保するのが容易でない。米国が輩出する溶接工があまりに少ない上に、韓国企業の要求に見合う人材はさらに足りないためだ。韓国産業研究院のチョ・チョル選任研究委員は「米国は工場設計・施工・管理などがとても細かく分けられており、竣工まで韓国より長い期間がかかるが人材不足も深刻だ」と指摘した。
工場を作っても難関は続く。まず現地で熟練人材を得るのが難しい。現代自動車グループの場合、2005年にアラバマ州の現代自動車工場竣工から20年にわたる試行錯誤の末に製造人材を養成し、現地化にも成功した。だが進出初期には組み立て・溶接技術者を確保するのが容易でなく困りきったという。現在は自動化工程が導入されたが最終組み立てと品質検査には熟練人材が必須だ。
トランプ米大統領が再建を推進する造船業も人材不足が深刻だ。米国には造船熟練工がいないばかりか、船舶設計エンジニアを養成する大学もミシガン大学造船海洋工学科1カ所だけだ。これに対しフィリー造船所を買収したハンファオーシャンは韓国から50人を派遣して現地人材を教育中だ。ソウル大学造船海洋工学科のイ・シンヒョン教授は「良質の人材が十分に供給されなければMASGAプロジェクトも順調に進まなくなるだろう」と懸念する。
トランプ政権の関税政策により現地直接投資が増え米国で製造業従事者需要は急増しているが、実際に米国内では既存の製造業雇用を満たすのも困難なことが明らかになった。外国人材に対する開放がなくては製造業の再建は難しいという指摘が出る。
https://s.japanese.joins.com/Jarticle/338440
韓国企業の米国工場、現地人材使えというが…「熟練工おらず、教えてもすぐ辞める」
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