気温、湿度、風向など多様な気象要素を自動で測定する韓国気象庁の自動気象観測装置(AWS)で、2024年、600件の故障が発生したことがわかった。1日平均、約1.6件の故障が起きた計算になる。
問題は、一度故障すると復旧まで平均でおよそ1日半かかるという点だ。猛暑、干ばつ、局地的豪雨など予測の難しい気象現象が頻発するなか、正確な国家気象データの確保のため対策が急務だとの指摘が出ている。
一年間を通して一度も故障しなかった装置は283台(44%)にとどまり、半数にも満たなかった。
報告書では、復旧した装置が繰り返し故障する問題も指摘された。全体のうち5回以上故障した装置が6台、6回以上の装置も4台に達した。
さらに大きな問題は、一度故障すると復旧に1日以上かかるという点だ。報告書によれば、故障した装置を復旧するのに平均33時間40分を要していた。予算決算特別委員会は「故障が発生すると日別予報(24時間)を超える時間のあいだ、正確な気象値を測定することが難しい」と指摘した。
韓国気象庁は、装置が屋外に設置されているため、気象条件によって故障は避けられないと説明する。
気象庁関係者は『時事ジャーナル』との通話で、「装置が屋外に設置されているので落雷や豪雨に伴う雷などで一時的な障害が発生することがある。1時間あたり50mm、80mm、100mmと降水量が増える傾向にあるため、悪天候にさらされる確率も高くなっている」と語った。
また、装置設置地域の拡大も故障増加の要因に挙げた。この関係者は「初期には人口の多い内陸部に設置したが、最近では海岸や島しょ部まで拡張している。こうした地域は塩分や海洋環境の影響を受けやすいため、故障が発生しやすい」と強調した。
復旧に長時間かかる理由については、「市内や道庁のようにアクセスの良い場所は車で容易に移動できるので復旧も早いが、山頂や僻地に設置されている場合は状況が違う。豪雨や大雪注意報が発令されて雪が積もると現場に近づくこと自体が難しく、海上装置の場合は波浪注意報が出れば船を出せず、復旧が遅れるしかない」と釈明した。
さらに「装置の故障は国家気象データの正確性と信頼性の低下につながりかねないにもかかわらず、故障件数が毎年増加している」とし、「気象庁は観測装置の故障を防ぐための方策を講じる必要がある」と求めた。
韓国気象庁の自動気象観測装置、1日平均1.6件も故障…しかも復旧まで1日半かかる
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