韓国の石油化学業界が死につつある。麗水産業団地内の大企業、麗川(ヨチョン)NCCが最近不渡りの危機をかろうじて乗り越えたが、市場の信頼を失った石油化学業界の債券価格が急落するなど状況悪化が続いている。ボストン・コンサルティング・グループ・コリア代表パートナーのキム・ジフン氏は先月、国会フォーラムで「不況が続けば3年以内に韓国の石油化学業者の半分ほどだけが生き残るだろう」と警告した。
◇昼休みでも閑散とした飲食店街、大型トラックもなく…「通貨危機当時よりも深刻」
麗川NCCは18日の理事会で、大株主であるハンファソリューションとDLケミカルから1500億ウォンずつ合計3000億ウォンを借り入れることにして不渡りの危機を克服した。だが2022年から昨年までの累積赤字だけで8200億ウォンに達するほど財務状況が悪化している上に、来年に満期を迎える借入金規模も5100億ウォンほどで、結局自力再建は困難との分析が出ている。ロッテケミカルも2022年からの3年間で2兆ウォンに達する赤字を出し、ロッテグループが昨年ソウル・蚕室(チャムシル)のロッテワールドタワーをロッテケミカル社債の担保に出すほど流動性危機に陥っている。
◇業界の営業利益率0%台まで急落
韓国産業通商資源部によると、石油化学製品輸出額は2021年の551億ドルから昨年は480億ドルに減った。収益性悪化はさらに深刻だ。2021年に13.4%だった石油化学業界の営業利益率は2023年には0.6%まで減った。収益性悪化で危機に追いやられた麗川NCCは、過去には年間兆単位の営業利益を上げ、社員の平均年俸が9000万ウォンに迫り「石油化学業界のサムスン電子」と呼ばれるほどの企業だった。株式を50%ずつ保有するハンファソリューションとDLケミカルという強固な後ろ盾もあった。しかしいまは2大株主が支援をめぐり不和を生じさせるほど悩みの種になった。ハンファソリューションは支援を優先視するのに対し、DLケミカルは慎重な経営診断が先という立場だ。
問題は技術力が重要な高付加価値製品と違い、汎用製品であるほど後発走者である中国が韓国を逆転することも容易な点を見過ごしたところにあった。中国石油化学業界は2010年代に入り経済成長と政府支援を背景にNCC増設に力を入れた。
中国に押され中東に追われ…崖っぷちの韓国石油化学(1)
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