韓国の現在の危機の大部分は、深い国の分断に起因している。イデオロギー間の「相互破壊の政治」が統治を麻痺させ、それが経済的、安全保障上の重大な課題への対応を妨げてきた。今回の任期半ばの大統領選挙自体も、そうした政治的対立によって引き起こされたものだ。
ほとんど全ての歴代大統領が就任後に統合を口にしてきたが、結局は派閥政治に引き込まれた。もし李在明が「実用的で、柔軟な政府」という約束を果たすのであれば、就任演説で掲げた価値観に忠実でなければならない。
「時代遅れのイデオロギーは歴史の博物館に送ろう。これからは、進歩派や保守派の問題ではなく、国民と韓国の問題だけだ」と彼は述べた。
もし彼の政権がこの理念を反映した政策を本当に実行すれば、李在明を支持しなかった有権者の間にある懐疑心も和らぐだろう。選挙結果は、有権者が前保守政権の戒厳令の試みに責任を問うたことを示している。しかし、立法権の濫用や過剰な弾劾決議によって政治的対立を激化させたとして、「共に民主党(以下民主党)」に対する批判も存在した。
政権を握った今、民主党が行政府と立法府の両方を掌握していることを通じて、司法への影響を試みるのではないかとの懸念が残る。李在明大統領の就任初日、民主党主導の国会法制司法委員会は、最高裁判事の数を大幅に増やす法案を可決した。
大統領が「統一」を語ったその日にこのような行動が取られたことは、疑念を生む。さらに民主党が、公職選挙法や刑事訴訟法の改正を強行すれば、彼の掲げる統一のビジョンは疑われかねない。
国民が協力と統合の効果を実感するには、李在明政権は行動で成果を示さなければならない。李在明は民主国の大統領として、支持層だけでなく彼に投票しなかった人々も抱擁する指導力を発揮することが必要だ。一貫性と包摂性のある統治を通じてのみ、李在明は「全ての国民のための大統領」になるとの誓いを証明できるのである。
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韓国・李在明大統領につきまとう「独裁化」の懸念、国内の分断をどう解決していくのか?
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