理化学研究所が、スーパーコンピューター「 富岳ふがく 」の後継機を富士通と共同開発することが17日、分かった。人工知能(AI)の学習などに必要な処理能力を富岳の数百倍に引き上げる。同社はシステム全体の基本設計を担うほか、頭脳に当たる中央演算処理装置(CPU)も新規開発する方針で、18日にも正式発表する。
スーパーコンピューター「富岳」(2021年3月、神戸市で)
後継機は、2030年頃までの運用開始を目指し、理研の計算科学研究センター(神戸市)にある富岳の隣接地に整備される予定だ。
関係者によると、事業者を決める入札が今月あり、富士通と16日付で契約を交わした。同社は、富岳と、その前身に当たるスパコン「 京けい 」の開発も担当。3機続けて、国産で開発が進められることになった。
搭載される半導体は、回路の線幅が微細な方が性能が高まり、消費電力も小さくなる。同社は、世界最先端の回路線幅2ナノ・メートル(ナノは10億分の1)の技術によるCPUを開発中で、後継機には、この技術を基にしたCPUを使う予定だ。
理研は、富岳にはない「画像処理半導体(GPU)」など、AI向けの大量のデータ処理を担う装置も追加する方針で、共同開発先の入札を別途進めている。
富岳後継機、理化学研究所と富士通が共同開発へ…処理能力を数百倍に引き上げ・CPUも新規開発
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