■保守と革新の”分断”が先鋭化
そもそも韓国の政治は常に、軍事政権をルーツとする右派の「保守」と民主化運動をルーツとする左派の「革新」という対立軸があります。
尹前大統領と李在明氏の支持者の間では、この対立が「分断」と呼ばれるまでに先鋭化しました。
例えば日韓関係では、尹氏が徴用工問題で韓国世論の反発を押し切って日本に譲歩し、関係改善に大きく舵を切りましたが、これを李在明氏は「対日屈辱外交」だと批判しました。また、北朝鮮をめぐっては、李在明氏は「対話路線」ですが、尹氏は「強硬路線」をとり、いわゆる戒厳令を出した際には北朝鮮と共に「国家転覆を謀っている」として李在明氏が率いる野党を攻撃しました。
内政問題では、女性政策も対照的です。尹氏が女性を支援する女性家族省の廃止を訴えたのに対し、李在明氏は拡充を主張しています。このように2人が両極端な主張で敵対したことを背景に、2025年2月の調査では「保守と革新の分断が深刻である」と答えた人は実に92.3%に上っています。
■分断は若者”恋愛観”にも影響か
分断は、若い男女の間でより顕著になっています。今回の大統領選で、29歳以下を対象にした出口調査では、女性の6割近くが李在明氏に投票しましたが、男性は2割ほどにとどまり、7割以上が保守系の対立候補に投票していました。そんな分断は若者の恋愛観にも影響を与えているようです。ネット上では政治信条を判定する「政治テスト」が流行していて、ある調査では6割近くの人が政治的に考えが違う人とは「恋愛・結婚できない」と答えています。
「分断の政治を終わらせる大統領になる」と話した李在明氏。政治によってつくられた分断を解消できるのでしょうか。YouTubehttps://www.youtube.com/watch?v=x9nTrtyWhbM
90%超が「分断が深刻」と回答 “分断の政治”を終わらせられるか
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