東京・赤羽のマンションの一室で、連日、若者たちが集まるフェミニズム講座が開かれている。2017年に始まった「ふぇみ・ゼミ&カフェ」では、年間100回ほどの講座に延べ5千人以上が参加する。
テーマは「あらゆる差別をなくす運動をつくる」。ジェンダー、セクシュアリティー(性の在り方)、在日外国人、歴史問題と、幅広い視点からフェミニズムを学ぶ。
旧日本軍「慰安婦」問題も、重要なテーマの一つだ。慰安婦だった女性たちが沈黙を破って被害を告白し、日本政府に損害賠償を求めた訴訟では、請求権が消滅する「除斥期間」が過ぎたなどとして負け続けた。講師は問う。「被害を受けた時にすぐ告発しなければ、罪じゃなくなるのか」
慰安婦だった女性らは「自分の選択が悪かった」と自らを責め続けた。勇気を出して被害を告白すると、「うそつき」「売春婦」などとひどいバッシングも受けた。
「差別の核心があるからです。『慰安婦は朝鮮人だから、中国人だから、遊郭で働いていた人だから、いいだろう』と、日常の差別が積み重なり、慰安婦が存在していた。慰安婦制度が始まったのも怖いけど、それを是認して続いたことも怖い」
「なぜあんな前代未聞の制度を、同じ人間がつくったのか。なぜ当時の日本が、そんな社会構造、価値観になったのか。単純な戦時性暴力問題ではない。日本の構造があります。繰り返さないためには、それを知る必要があります」
フェミニズムを入り口に慰安婦問題を学ぶ若者たち―東京
17
ツイートLINEお気に入り
15
1