ソフトバンクが米インテル、東京大学などとの協業に向け、AI(人工知能)に使う半導体メモリーの開発会社を国内で立ち上げたことがテレビ東京の取材でわかった。新社名は「SAIMEMORY(サイメモリー)」で、発足当初はソフトバンクが約30億円を出資し筆頭株主となる方向だ。AIの拡大と量子コンピューターの台頭に備えて、インテルと東大の先端技術を使って低消費電力・低コストの次世代型半導体メモリーの開発を目指す。
ソフトバンクやインテルが経営幹部を送り込み、7月から本格始動する。政府は次世代半導体やAIの開発・量産の支援に10兆円以上を投じる方針。サイメモリーが最先端半導体の量産を目指すラピダスに続く支援先となる可能性がある。
半導体は大きく分けて計算処理するCPUやGPU(画像処理半導体)と、情報を記憶するメモリーがある。なかでもAIには、高性能のGPUと記憶容量の大きいメモリーが欠かせない。高性能の半導体は膨大な消費電力が課題だが、サイメモリーが開発を目指す次世代型メモリーは、最先端のメモリーに比べ、記憶容量が2倍以上で、消費電力は40%少なく、コストも大幅に減らせるという。
インテルが米DARPA(国防総省の機関)と開発した半導体の積層技術を使って消費電力を大幅に減らす。東大が持つ大量のデータを高速でやりとりする技術を使って全体のコストを減らす。開発には、3月に政府系ファンドのJICに買収された新光電気工業も参加する。
サイメモリーは当面の研究開発費を150億円程度と見込む。量産段階では半導体メーカーに生産委託することを検討する。ソフトバンクで半導体開発の責任者である丹波廣寅・次世代技術開発本部執行役員本部長は、テレビ東京の取材に対し、「計画は順調だ。低消費電力と低価格なメモリーのニーズは大きい」と開発への自信を見せた。また、将来ラピダスにメモリーの生産委託することも含めた協業の可能性について問うと、「技術開発次第だ。うまくいくといい」と述べた。YouTubehttps://www.youtube.com/watch?v=ZNCGgFSJlHI
ソフトバンクと米インテル、東大がAI向け半導体メモリーの開発会社SAIMEMORY立ち上げ
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