国軍の統帥権者の口から「韓国軍は難病にかかってしまった」という指摘が飛び出した
。5月11日の「国防革新委員会」の発足式で、尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領は「(文在寅前大統領が)『全世界に、北朝鮮は非核化するから(北朝鮮に対する)制裁を解除してほしい』と言ったのが軍の病の原因だ」と主張した。この奇異な因果関係がひとまず正しいと仮定すれば、尹錫悦政権の外交安保政策はかなり一貫性があるようにみえる。国防白書に北朝鮮を「主敵」と再び明記したり、先制攻撃と斬首作戦を持ち上げ合同軍事訓練を拡大したり、韓米、韓米日首脳会談、主要7カ国首脳会議(G7サミット)、北大西洋条約機構(NATO)、欧州連合(EU)、ASEANなど、行く先々で「北朝鮮の核糾弾と制裁の強化」を叫んでいるのだから。しかし、その因果関係が正しくないというのが問題だ。
認識の誤りは問題を解決するどころか悪化させる。個人の疾病に対する誤った診断と処方もそうなのだから、国家組織に対しては言うまでもない。軍が「病んでいる」本当の理由についての省察は、軍をおとしめるものではなく、尊重の表れだ。長らく論議されているが最近はまったく議題にもならない2つの問題だけを考えてみよう。慢性疾患でも致命傷を受けうるからだ。
「戦作権を維持してほしい」という懇願
いまだに韓国軍の戦時作戦統制権(以下「戦作権」)は米軍の4つ星将軍(韓米連合司令官)にあるという事実には、恥以前に不思議な感じがする。連合司令官は直属の上司である米国のインド太平洋軍司令官の指揮を受け、朝鮮半島において戦争の突入段階から終結までの「責任」を負うことになる。7人の韓国軍の4つ星将軍のうち6人は連合司令官の作戦統制下に入り、残りの1人(合同参謀議長)は「戦争指導」に参加はするだろうが、主に戦況報告を受ける仕事を担うだろう。要するに、朝鮮半島での戦争において韓国軍は権限も責任もないということだ。
https://japan.hani.co.kr/arti/politics/46925.html
世界6位の戦力、だが作戦権は米国に…韓国軍が「病んでいる」本当の理由
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