(ブルームバーグ): 米政府による対中輸出規制強化によって半導体サプライチェーンの力学が変化する中、韓国は世界の半導体メモリー市場で優位性を高める見通しだ。台湾を拠点とするテクノロジー調査会社トレンドフォースがこう指摘した。
トレンドフォースによると、DRAMの世界生産全体に占める韓国の割合は、2023年に64%へと上昇する見込み。一方、ここ数年大きく伸びていた中国のシェアは14%に低下すると予想されている。同社のデータは半導体メーカー各社の計画に基づいている。
世界の半導体メモリー市場では、サムスン電子やSKハイニックス、米マイクロン・テクノロジーが有力メーカーとなっているが、この数年は長江存儲科技(YMTC)や長鑫存儲技術(CXMT)など中国企業が急速に生産能力を拡大してきた。人工知能(AI)や自動運転車などデータ集約型技術が台頭する世界経済で、DRAMの重要性は増している。
中国勢のシェアは近年、拡大傾向にあった。だが、米政府は昨年10月、中国の半導体メーカーによる半導体製造装置の調達や生産拡大を難しくする広範な規制を発表した。
半導体メモリーの別の代表品種NAND型フラッシュメモリーの生産でも、韓国はシェアを伸ばす見通しだ。トレンドフォースによれば、韓国は23年に世界シェアを33%に落とす見込みだが、25年までに43%へと再び拡大すると予想。中国のシェアは昨年大幅に伸びたが、23年の31%でピークに達し、その後は低下すると見込まれている。
韓国が半導体メモリー市場でシェア拡大か-米の対中輸出規制が追い風
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