日本は協力パートナー　未来志向を呼び掛け　韓国大統領

【ソウル時事】韓国の尹錫悦大統領は1日、日本の植民地支配に抵抗した1919年の「三・一独立運動」記念式典で演説し、「今、日本は軍国主義の侵略者から、普遍的価値を共有し、安全保障と経済、グローバルなアジェンダで協力するパートナーになった」と強調した。

　
　日本との協力の重要性を前面に掲げると同時に、過去にこだわるより未来に向かうべきだとのメッセージを打ち出した。一方で、日本と交渉が続き、原告らの説得も途上にある元徴用工問題には直接言及せず、全体的にも短い分量の演説となった。

　尹氏は「複合的な危機と深刻な北朝鮮の核の脅威などの安保危機を克服するため、韓米日の協力がいつになく重要になった」と指摘。「普遍的価値を共有する国家と連帯・協力し、世界市民の自由の拡大と共通の繁栄に寄与すべきだ」と訴え、日米など共通の価値観を持つ国々と連携していく姿勢を示した。

　また、「栄光の歴史であれ、恥ずかしく悲しい歴史であれ、歴史を忘れてはならない」と述べつつも、「（歴史を忘れないことは）未来を守り、準備するためだ」と強調。「不幸な過去を見つめ直す一方、未来の繁栄のためになすことを考えるべき日がきょうだ。自由・平和・繁栄の未来を一緒につくっていこう」と呼び掛けた。