中国の成長鈍化は韓国経済に大きな負担だ。貿易収支は9カ月連続の赤字で、対中輸出減少幅が拡大し昨年12月には前年同月比27%も減り韓国の製造業景気指標は悪化の一途だ。今年も対中輸出は10%ほど減るとの見通しが優勢だ。「ポストチャイナ」のインドと昨年韓国の最大貿易黒字国に浮上したベトナムをはじめとした東南アジア、そして中東などへ対外通商と投資の多角化を通じた経済領土拡張にさらに速度を高めなければならない時期だ。
世界秩序転換期の国の興亡は外交力と経済力にかかる。「米国とあまりに近づけば共産党を失い、中国とあまりに近づけば国を失う」。かなり前、筆者が世界銀行在任当時にベトナム出張中に会った現地高位当局者の言葉だ。世界的体制変化時期の生存戦略は「バランスを取って力を育てること」という意味だった。現政権の韓米同盟強化の努力とインド太平洋経済枠組み(IPEF)中心の世界的供給網再編参加は拡大しなければならない。安保は米国、経済は中国に依存する「安米経中」という両極端的な戦略が通じない現在の状況ではさらにそうだ。ただ中国に対する過大評価が問題であるように、性急な過小評価は禁物で、中国の高成長時代が過ぎたとしても潜在力を見逃してはならない。韓国は何より対外環境変化に堂々と対処していく経済・安保能力を育てなければならない。
長期不況を意味する「パーマクライシス」(永続的危機)の警告まで出ているいまこそ経済体質改善と体力強化に向けた構造改革のゴールデンタイムだ。景気浮揚に向けた財政・通貨拡張の余地があまりない現状では民間投資活性化を促進する労働改革と規制廃止などインフレを刺激しない政策代案が切実なためだ。政府による労働・教育・年金の3大改革は潜在成長率回復に向けた喫緊の課題で、果敢な改革実践は国益を前面に出す生産的政治風土と成熟した市民意識にかかっている。世界的力学構図変化の中で生きる道は国家競争力強化だ。
https://japanese.joins.com/JArticle/299921?servcode=100§code=120
コラム】世界史の変曲点に立った韓国経済(2)
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